50年の風雪か、人の手か。

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ちょっぴり人気が少ない、今日の現場。実は大工さんたちはみんな、作業場に行っちゃっているのです。で、そこでなにをしているかというと、木を加工しているのでした。
BOTCHY BOTCHIを作ると決めたとき、そこは、クールで無機質なスペースではなく、少しヘンでも間が抜けててもいいから、あったかい、落ち着けてくつろげる空間にしようと思いました。もちろん、コンクリの打ちっ放しという空間も、それはそれでカッコイイし、なにより内装費がとても安くて済みそうではあったのですが、やはり木には、ココロを暖めてくれるぬくもりが感じられますよね。
そして木にも、というか板にもいろいろあって、使う板によっては北欧調になったり民芸調になったりするわけですが、ワタシが作りたかったのは、わかりやすく言ってしまえば、西部劇に出てくるような世界。ただ、いわゆる“カントリー&ウェスタン”なスタイルともビミョーに違って、単なるアメリカの田舎町の、鍛冶屋さんちの裏庭だとか、フィフティーズなダイナースタイルが流行る前からやってた街道沿いのバーだとか、なるように作って、なるように時間が過ぎたら、なるようになっちゃった、ってなアバウトな世界。って、なんのことやら自分でもよくわかりませんが。(^^;;
ま、そうなるとホントは、木にもこだわりたい。たとえばアメリカの田舎で当たり前のように見かけた、古い農作業用の納屋や牧場の柵を解体して出てくる古い木材などが、個人的にはいちばん使いたかった素材なわけですが、立替時だとはいえわざわざ建ってるものをバラして、釘を抜いたりキレイにして、トラックや船で日本にまで運んできて売るわけですから、そらもー、高い。しかもそれでも問い合わせてみたけど、在庫がないとか、早くても次の船とか言われちゃう。さすがにそれは待ってられません(笑)。
で、次の策が、大工さんたちが木を加工して、それっぽくしちゃうというヤツです。アメリカの大地に1950年代より前から建ってる建物をバラして持ってきた木をホンモノと呼ぶなら、こっちは言ってみればフェイクなんだけど、これがなかなかいい味。しかも、フェイクというより、手のかかった加工品、という感じになるのです。だって、まず木に白いペンキを塗り、次にバーナーで表面を焼き、さらにブラシをかけてペンキや焦げた部分をいい感じに落とすとともに、木の柔らかい部分を削って木目を際立たせてる、という作業を、全部手でやっているのです。50年、勝手に雨ざらしになってたなんて木材より、むしろスゴイと思いませんか?
で、そんな加工を施した木材を、はじめに必要だと思われる分だけドワっと作って作業にかかったわけですが、その出来があまりにいいもんだから使う面積がどんどん増えたりして、また現場のカントクも、いい感じにするためによりふんだんに材を使う工法を採ったりして、とうとう足りなくなっちゃった。なので今日は大工さんがほとんど、作業場で木にペンキ塗って焼いてブラシかけているのでした。
BOTCHY BOTCHYは、ワタシが思いついて作っている空間ですが、それをカタチにするために、考えられないほど多くの人の、大きなチカラが集まっています。